日光と鳥取の「麒麟」
鳥取の人も日光の人も、鳥取と日光には何の縁も無いことと感じることであろう。しかし、現鳥取県の起こり(因幡・伯耆)の歴史を遡れば、鳥取県の前身である鳥取池田藩が徳川将軍家と深く強い関係があったことに気付くはずである。徳川将軍家と鳥取藩、鳥取と日光、このニつの間で今日まで四百年間連綿と続いてきた関係を証左するもの。それは「麒麟」の存在である。麒麟獅子舞
鳥取東照宮本殿
日光東照宮 陽明門の中心を飾る麒麟の彫刻
日光東照宮の金の頭の獅子「千人武者行列絵図」
和田英作画伯作(元東京美術学校長)
悠久の時を越え、ここ鳥取と日光に息づく平和と太平を願う麒麟の絆。文化も異なり、遠く離れた地ではあるが、この一見何の所縁もない鳥取と日光には距離や政治の枠を越えた、人の思想の根底に流れる、精神的な深く強いつながりが確かに存在しているのである。